5月14日 (水)  心に残る言葉


夜中に降り出した雨は朝になっても降っていました。
寒い朝です。
晴れると分かっていても薄着で出かけるわけにもいかず、
重ね着をして調節できるようにしました。
今日は沼津のSBS学苑の日です。

家を出る頃になって
ようやく雨も上がりました。
傘は置いていくことにしました。


御殿場駅のホームに立つと
久しぶりにホーム猫に会いました。
御殿場線は30分に一本しか来ないので
こうしてホームに出入りしてもさほど危険はないのです。
猫もよく分かっています。

Photo-1
 まるで電車を待っているかのようなホーム猫。

Photo-2
 私は勝手に「ホームズ」と呼んでいますが
 女の子です。


電車のボックスシートに腰を下ろし、
本を読んでいると、
ひとつ前のボックスに20才そこそこの青年が座りました。
先に座ってた60代の男性に
「ここ、いいですか? 失礼します」
と礼儀正しく挨拶をして男性の向かいに座りました。
電車が走り出すと、青年が男性に話しかけました。
「いい景色ですね」
「そうだねえ」
といった感じで話し出しました。
「旅行か何かですか?」
「うん、まあ」
「御殿場は初めてですか?」
「俺んちは富士山側なんですけど駅まで結構あるんですよ。
 いいダイエットですよ。」
「はは…」
男性はほとんど聞き役です。
「御殿場はそんなにいいところじゃないです。
 でもアウトレットとか出来て、良かったかな…」
三島へ散策に行っらとてもいい町だったとか、
何気に聞こえてくる会話。
相手をしている男性は迷惑なんじゃないかな…
なんて思いながら聞いていました。

「俺、花とか好きなんですよね」
その言葉に私の耳がピクッとしました。
若い男の子がそんなこと言うなんて…。
さらに続く言葉…。
「情報社会って、訳わかんないっすよ…。
 俺…、ゆっくり暮らして
 思い出に満たされて死んでいくのが夢なんです」
思わず手帳を出してその言葉を書き留めました。

『ゆっくり暮らして思い出に満たされて死んでいく…』

若者とは思えない言葉です。
なんて豊かな生き方なんだろう…。
その一言に中に彼の優しさや豊かさが溢れていました。

今日一日、その青年の一言を聞けただけで
なんだかとても豊かな気持ちになりました。

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