4月14日 (金)  美しい日本語

朝、キッチンに立つと、窓の外が『花吹雪』。
今日はちょっと寒い。
『花冷え』だろうか…。
こういう瞬間、日本語ってきれいだなぁ…と思う。
近年、季節感が無くなって、
歳時記などもおろそかになっている。
日本の伝統とか心が、どんどん失われていくようで淋しい。
これからは『心の時代』なんて言われて長いのに、
ちっともそんな方向に進んでいないような気がする。

東京へ。
コンサートの打ち合わせの後、
飯塚くんと地下鉄で事務所へ。
目の前の席が空き、私が座る。
飯塚くんが持ってくれていた私の荷物を持つと、
飯塚くんが「すいません」という。
(私の荷物なのに…)
「私が学生の頃は、座った人がみんなのカバンや荷物を持ったり、
知らない人の荷物を持ってあげたりするのが当たり前だったんだよね」
そういうと、飯塚くんが驚いたように
「え? そうなんですか?」という。
「今、『荷物持ちましょうか?』なんて言って手を出したら
『何するんですか!』なんて怒られそうだよね」
「ですね…」
何だか人との係わり合いが難しくなってきているよね。
本来ならば『シルバーシート』なんてわざわざ作らなくても
お年寄りや障害を持った人に席を譲るのは常識であるべきなのだ。

そういえば昔、『小さな親切運動』なんていうのがあったのを
知っている人というか、覚えている人がどれだけいるだろう…。
『小さな親切』で表彰される人が出たことでエスカレートしてしまい、
結局『小さな親切は当たり前』ってことで
いつの間にか消えてしまったのだった。
『小さな親切、大きなお世話』なんて言葉も流行った。
もっと自然に人と人が係りあえたらいいんだよね。
それがきっと『思いやり』って言葉に繋がるんだろうな…。
これもまた美しい日本語だ。